【ニュース解説】《膨張するアマゾン》AIやクラウドで市場席巻 リアルとも融合 (4/5ページ)

トヨタ自動車が公開した新型セダン「アバロン」。アマゾンのAI「アレクサ」を搭載できる=15日、米デトロイト(共同)
トヨタ自動車が公開した新型セダン「アバロン」。アマゾンのAI「アレクサ」を搭載できる=15日、米デトロイト(共同)【拡大】

 IT業界とクラウドに詳しい野村総合研究所の楠真理事はその著書で「既存のIT業界を動かす台風の目。もはやAWS抜きにIT業界を語ることはできないといっても過言ではない」(『頑張れ、日本のデジタル革命』)と指摘している。

■リアルの流通市場でも進撃

 アマゾンは“本業”の流通でも拡大戦略を加速している。なかでも市場を驚かせたのが、地盤のネットからリアルへの本格進出だ。

 昨年6月に米市場で健康志向の食品などを多く取り扱うスーパーのホールフーズを137億ドルを投じて買収すると発表した。米メディアによると、アマゾンが手がけた買収では過去最大規模になる。

 アマゾンのベゾスCEOは「ホールフーズは何百万の人々に愛され、40年近く顧客を満足させてきた。それを続けてもらいたい」と話すが、ホールフーズは業績が伸び悩んでおり、徹底した在庫管理やコスト削減など「アマゾン流」経営でてこ入れを図るのではないか、との見方も出ている。

 ただでさえ、米市場ではウォルマート・ストアーズなど流通各社は、アマゾンのネット通販に押され、業績が圧迫されている。アマゾンがネットとリアルの融合を進めれば、競合各社の一層の脅威となるだろう。

■破竹の勢いに立ち向かうのはどこか

 快進撃を続けるアマゾンだが、死角や不安材料はあるのか。

 アマゾンを脅かすとすればやはりまず競合のIT大手だろう。マイクロソフトは、同社を長年支えたライセンス販売を軸としたウィンドウズ・ビジネスから、クラウドサービスへ重心を傾けるため、営業組織の見直しに踏み込んだ。グーグルは同社が得意とするAIとマシンラーニング(機械学習)を武器に、AWSを追撃する構えだ。

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