中国がラップ、ヒップホップ禁止令 反体制文化の浸透を警戒か

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 中国政府は23日までに、ヒップホップ文化は低俗だとして、ラップ歌手らをテレビやラジオ番組に出演させない方針を示した。中国メディアが伝えた。人気曲の薬物使用に関する歌詞が問題視されたことが直接のきっかけだが、体制批判に結び付きやすいヒップホップ文化が大衆に浸透することを警戒したとみられる。

 中国メディアによると、メディアを管理する国家新聞出版ラジオ映画テレビ総局が最近「入れ墨のある芸能人、(ラップを含む)ヒップホップ文化、不健全な文化は番組で扱わない」よう関係機関に求めた。

 中国では昨年末ごろから、人気ラップ歌手の男性の曲に「白い粉末を並べておく」「恥知らずのくそ女」など薬物使用や女性蔑視の表現があるとしてネット上で攻撃対象となった。

 今年に入り、共産党機関紙、人民日報や国営メディアも「青少年に悪影響を与えている」と批判。男性は謝罪し、作品のネット配信も停止された。関係者によると、当局の意向を受け、ラップ歌手の出演を見合わせるテレビ局も出てきている。(共同)