【高論卓説】外国人集う台湾の「アセアン広場」 (1/2ページ)

 ■日本社会、受け入れ議論の一助に

 台湾中部の都市・台中に「アセアン広場」という場所がある。台湾鉄道の台中駅のすぐそばで、台中を訪れる機会がある人は、良かったら一度のぞいてもらいたい。いくつかの商業ビルとその真ん中に大きな広場が併設されており、もともとは「第一広場」と呼ばれてきた。

 台中やその近辺には製造業の工場が集中し、人口も増えている。ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシアなどから多くの労働者が出稼ぎに来ており、広場へ彼らが仲間と一緒に遊びに来るようになった。

 人が集まれば経済が生まれる。各国料理のレストラン、食料、映画や音楽、書籍を売る店などが続々と現れ、いつの間にか、ビル全体がアセアンテイストになり、広場の名前まで中国語でアセアンを意味する「東協」を冠した「東協広場」に変えてしまった。

 広場には各国の人々が集まって食事を楽しみながら談笑しており、週末になると、座る場所もないほどで、大変な活気、にぎわいを見せている。最近では、台湾の人たちがアジアの異国情緒を体験するために立ち寄るようになっている。

 外国人が増えて自然発生的に「◯◯タウン」が形成されることは、日本において、池袋(東京都)のチャイナタウンや西葛西(同)のリトルインディアでも起きていることだが、台湾の場合は、そこにある現実を受け入れた上に、さらに積極的に活用していこうという、しなやかな応用力を感じさせる。

日本と台湾、同じようで違う道