都内の自治体初、八王子市が電力自給 8月から自己託送制度を活用、「電力の地産地消」へ (1/2ページ)

戸吹清掃工場=八王子市戸吹町
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 年間1000万円超の節約に

 東京都八王子市は、市の清掃工場で自家発電した電力の余剰分を市役所など別の施設に送って使う「電力の地産地消」を8月からスタートする。これにより年間1千万円超の経費節約になる計算だという。都内の自治体では初の試み。

 自己託送制度を活用し、戸吹清掃工場(同市戸吹町)でごみを焼却する際に生まれる電力の余剰分を、東京電力パワーグリッドの送電網を通じ、市役所本庁舎、下水処理場、小児・障害メディカルセンター、保健福祉センター、こども科学館、ひよどり山トンネル-の6施設に送る。

 自己託送分で6施設の基本的な消費電力を賄い、不足する分は電力会社から供給を受ける。

 市はこれまで、戸吹清掃工場の発電電力を同工場で使い、余った分は電力会社に売る「売電」で収入を得てきた。売電収入は平成28年度までは年間約1億3千万円弱にのぼったが、固定価格買取制度の期間満了によって単価が下がるため、29年度以降は3分の1程度に減ったという。

 売電から自己託送に切り替えることにより、31年度以降は年間1千万円超の節約となる見込み。30年度は設備の入れ替えにより夏まで発電が稼働できないため、400万円程度の節約を見込んでいる。

「メリットは電気料金の削減だけでなく…」