国交省、船舶リサイクル推進へ新法検討 日本海運の信頼性PR

 日本の海運事業者の国際競争力強化に向け、国土交通省が船舶の再資源化(リサイクル)を適正に進めるための新法を検討していることが6日、分かった。年度内に法案の詳細を固め、今国会での提出を目指す。船舶解体をめぐる環境汚染や労働災害が国際的な問題として浮上する中、リサイクルに配慮した船舶使用を促すことで「日の丸海運」の差別化につなげる。

 検討中の法案は、総トン数500トン(長さ約40メートル)以上で排他的経済水域(EEZ)外を航行する船舶の所有者に対し、船舶に含まれる有害物質の使用場所や使用量などを記した一覧表を作成し、国の確認を受けることを義務づける。また解体施設の適正管理のため、解体事業者に5年ごとの事業許可取得を求める。

 加えて、船舶所有者と解体事業者がリサイクル目的で船舶の取引を行う場合、それぞれ国の承認を必要とする規定を盛り込む。

 船舶は9割以上がリサイクル可能な鉄などの鋼材で建造され、主にインドやバングラデシュなどの途上国で解体作業が実施されているが、労働安全や環境対策が施されていない解体施設での死傷事故や環境汚染などが絶えない。

 このため日本主導で2009年5月に国際海事機関(IMO)で「シップリサイクル条約」が採択され、発効に向けた動きが進んでいる。

 条約批准国では新法と同様の一覧表作成や保持などが義務づけられ外国船にも適用される。批准していない国の船舶は、入港を認められない可能性があるほか、リサイクル目的の取引相手が制限される。

 海運業界は運賃以外の差別化が難しく、国境を越えた再編も相次いでいるが、政府は条約発効を契機に日本の海運事業者の信頼性を高めたい考えで、法整備の検討を急いでいた。