17年の人口移動報告 東京集中変わらず 「地方創生」も乏しい成果 (1/2ページ)

地方創生に関する会議で、あいさつする安倍晋三首相(左端)=2017年12月、首相官邸
地方創生に関する会議で、あいさつする安倍晋三首相(左端)=2017年12月、首相官邸【拡大】

 総務省が公表した2017年の人口移動報告で東京一極集中にブレーキが利いていない実態が鮮明になった。東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)は転入者が転出者を11万9779人上回る「転入超過」だった。転入超過は22年連続で、超過人数は2年ぶりに増え、09年以降で最大。「地方創生」をうたう安倍政権は雇用対策や移住促進に取り組むものの、成果は乏しい。閣内からは「看板は掲げたが、実行できていない」(野田聖子総務相)との批判も出始めた。

 就職がきっかけ

 畜産業が盛んな宮崎県えびの市。1965年に3万3000人だった人口は、今年1月時点で1万8700人に落ち込んだ。福岡や東京で就職するため、地元を離れる若者が多い。新規就農者への補助など独自支援を始めた結果、14年度からの3年で120人が移住したが、市の担当者は「出て行く人が多く、人口減を食い止めるのは容易ではない」と漏らす。

 今回の報告で転出超過数が全国6位だった広島県呉市の担当者も「就職をきっかけとする広島市や東京圏への流出が多い」と説明する。

 岩手県北部の葛巻町は、住宅の建築費用を最大400万円補助し、高校卒業まで医療費を無料とするなど、子育て世帯の移住に力を入れる。ただ就職先が見つからずに断念する人も。町の担当者は「企業の立地は小さな自治体だけで対応できない」と話す。

 移住促進にも課題

 一極集中の背景には、経済情勢もある。好景気になると、企業が多い東京では、希望の仕事を選びやすくなるためだ。実際、人口移動報告で東京圏の転出が転入を上回ったのは、バブル経済崩壊直後の1994、95年しかない。

移住の促進も課題