キャンベルが挑むオンライン販売

キャンベル・スープの商品(ブルームバーグ)
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 創業148年を誇る米食品大手キャンベル・スープは、売り上げ不振から脱し、事業モデルを刷新するための取り組みの一環として、顧客の家までスープを配達するオンラインサービスを試験的に行っている。

 昨年1月から始まった同サービスは、自宅で温めて食べることのできる高級スープを顧客のもとに届けるというもの。さらに、メイソンジャー(広口密閉式ガラス瓶)の人気の高まりを受け、地元産の食材を使ってガラス瓶入りで販売する「クラフト」スープの開発も行っている。

 同社で「破壊的革新」の指揮を任されたバイスプレジデントのマイク・ポール氏は、これらはすべてキャンベルの事業遂行方法を全面的に見直すためのものだと話す。スーパーの買い物客は店内の外周に置いてある商品に引き付けられる傾向があるが、スープ缶は店の中央に置かれ、外周には生鮮食品が配置されることが多い。

 「当社の目標は店の中央部分を改革することだ。私たちは商品開発やブランドの形成、市場開拓における新たな方法を試してみたい」とポール氏は述べた。

 キャンベルは既に電子商取引(EC)の市場に進出を果たしている。同社のチリマカロニやチキンヌードルなどのスープは米通販サイト最大手、アマゾン・コムのスープ部門でトップクラスの売り上げを誇る。だが、試験販売は顧客と直接的なつながりを築こうとするものだ。成功すれば、顧客はキャンベルのウェブサイトでスープ缶を探すようになり、同社は自社倉庫から顧客のもとへ商品を直送できるようになるかもしれない。

 キャンベルの四半期売上は2014年以降、プラスの成長を示しておらず、生鮮食品の提供を増やす試みもほとんど効果を上げていない。アマゾン・コムによる米食品スーパー、ホールフーズの買収も逆風だ。同買収が発表された日、キャンベルを含む食品会社の株価は大幅に下落した。

 企業イメージを広げるため、16年7月にはオーガニックスープを製造する米パシフィック・フーズを7億ドル(約760億円)で買収。食材キット宅配の新興企業、米シェフドへ1000万ドルを投資し、同社のサービスを通じて自社製品を使ったレシピの売り込みも始めた。

 再生に向けたキャンベルの取り組みはこれまで、順調には進まなかった。ポール氏らは小規模な企画を複数立ち上げ、新規まき直しを図り、どれがうまくいくかを見極めたいと考えている。「私たちが取り組んでいるのは試して学ぶという開発の初期段階だ」とポール氏は述べた。(ブルームバーグ Mark Gurman、Craig Giammona)