東南アジア環境改善に照準 台湾の新興電動スクーターメーカー

台北市内にあるゴゴロの電動スクーター充電施設=1月22日(ブルームバーグ)
台北市内にあるゴゴロの電動スクーター充電施設=1月22日(ブルームバーグ)【拡大】

 地球環境問題の論客として知られるアル・ゴア元米副大統領や住友商事などの出資を受けた台湾の新興電動スクーターメーカーのゴゴロが事業拡大を狙い海外市場に進出する。排ガスなどで大気が汚染された東南アジアの都市への進出を目指す。

 同社を創業したホレイス・ルーク最高経営責任者(CEO)は台北でインタビューに応じ、「海外展開を模索しており、フィリピンのマニラが候補地の一つだ。多くの候補地の中から間もなく一つを選ぶ」と述べた。

 同社の海外進出計画の策定は昨年実施した増資を受け、事業目標達成への圧力が高まる中で進められている。同社は昨年の増資で、地球環境保護に焦点を当てたゴア氏の投資会社ジェネレーション・インベストメント・マネジメント、シンガポールの政府系投資会社テマセク、住友商事、フランスのエネルギー大手エンジーなどから3億ドル(約320億円)を調達した。関係者によると、増資によってゴゴロの株式時価総額は8億ドル規模に達したという。

 ルークCEOは「私はいつも株主に対し、私が配当を行った日が、ゴゴロ株を売却する日だと言っている。世界では年間5000万台の二輪車が売れている。つまり、電動二輪車への乗り換えが必要な人がたくさんいるということだ」と話した。

 同社が2015年に初めて電動スクーターをお膝元の台湾市場に投入した後、数々の問題に直面した。

 台湾当局は大気汚染規制の一環として、35年までに電動以外の二輪車販売を禁止することを狙っているが、伝統的なスクーターメーカー各社は抵抗を強めている。台湾当局者は1月中旬、ゴゴロのバッテリー交換システムを台湾標準として認定する決定を下すことになっていたが、高雄市に拠点を置くオートバイメーカー、KIMCO(キムコ)が自社システムの採用を求めたことを受けて認定を見送った。現地メディアは、メーカー各社との仕切り直しの会合は白紙のままだと報じた。

 ゴゴロは台湾全土に約500カ所のバッテリー交換拠点を整備しており、さらに年内に500カ所を追加し約5万人の電動スクーター利用者に提供する計画だ。台湾のスクーターメーカー21社の利用するバッテリーシステムが決定されれば、台湾当局は追加的に約3000拠点を整備する計画だ。

 ゴゴロのスクーターは現在、台湾で販売されているほか、パリやベルリンでレンタル車として利用されている。同社は1~3月期に、沖縄県石垣島でレンタルサービスを提供することを計画している。

 ルークCEOは「今年の目標は技術、生産、運営の準備を万端にすることだ。準備ができたら世界のあらゆる都市で展開できる」と話した。(ブルームバーグ Stephen Engle、Samson Ellis)