米減税、日独自動車には恩恵 GM、フォードは評価替えでコスト

米ミシガン州オリオンにあるGMの工場で働く従業員(ブルームバーグ)
米ミシガン州オリオンにあるGMの工場で働く従業員(ブルームバーグ)【拡大】

 米ゼネラル・モーターズ(GM)が6日に発表した2017年通期の調整後利益は過去最高に達し、18年の好調な利益見通しに弾みがついた。17年10~12月期は、調整後1株利益が1.65ドルと、アナリスト予想平均の1.38ドルを上回った。しかし、税制改革に伴う繰り延べ税金資産の評価替えによる費用73億ドル(約7990億円)を期中に計上したため、通期の最終損益は38億6000万ドルの赤字となった。

 フォード・モーターは今年の調整後実効税率を約15%と見積もり、17年とほぼ同水準になると見込んでいる。米国第一主義を掲げるトランプ政権の税制改革は米国の自動車大手メーカーの大きな恩恵につながっていない。

 一方、日独の大手自動車メーカーは、米税制改革が追い風となりそうだ。ホンダとトヨタ自動車は米減税による18年3月通期利益の押し上げ額を、それぞれ約3460億円、2900億円と試算する。

 独ダイムラーは決算発表で17年通期利益に約10億ユーロ(約1356億円)の好影響をもたらしたとしている。独BMWは12月時点で、17年通期利益へのプラス効果を約9億5000万~15億5000万ユーロと見込んでいた。

 米国、イタリアに拠点を置くフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は米自動車メーカーに含まれることが多いものの、ロンドンを納税地としており、マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は米減税による節税効果を年約10億ドルと試算する。

 モーニングスターのアナリスト、デービッド・ウィストン氏(シカゴ在勤)は「極めて皮肉なことだと言える。政府の干渉や(政策の)変更が意図せぬ結果をもたらすのは常だが、長期的には皆の追い風になる。納税額が多少なりとも減るからだ」と語った。

 GMのスティーブンス最高財務責任者(CFO)は、「減税が当社に直接恩恵をもたらさないとしても、経済成長を喚起し、自動車販売を後押しする」と見ている。(ブルームバーグ Jamie Butters、David Welch)