米排ガス規制、加州基準 EPA方針 自動車各社の負担軽減

米テキサス州ダラスに通じる高速道路。トランプ政権は自動車排ガス規制の統一を目指そうとしている(AP)
米テキサス州ダラスに通じる高速道路。トランプ政権は自動車排ガス規制の統一を目指そうとしている(AP)【拡大】

 トランプ米政権は自動車排ガス規制において、環境基準の厳しいカリフォルニア州と足並みをそろえる方針だ。連邦と同州の当局による規制の検討が進む中、米環境保護局(EPA)の担当者が明らかにした。規制の混在による自動車メーカーの負担増加を避ける狙いがある。

 ◆混在の煩わしさ回避

 EPAの自動車排ガス担当部署、大気・放射線部門のビル・ウェラム氏は1月29日、インタビューに応じ、「(EPAとカリフォルニア州の)協議の目的は、米国内で統一された規制を保つことだ」と説明した。EPAは4月1日までに、2022~25年型の乗用車とライトトラックを対象とした排ガス規制を見直すかどうかの判断を下す計画だ。

 現状は、連邦とカリフォルニア州の規制は統一されている。オバマ前政権が、米国で販売する自動車の燃費を25年までに1ガロン(約3.8リットル)当たり平均で50マイル(約80キロメートル)超に引き上げる燃費基準を打ち出したためだ。

 これに対して、自動車各社は規制の見直しをトランプ大統領や政権関係者に働きかけてきた。燃費の悪いライトトラックの販売台数の増加や、ガソリン価格の下落、電気自動車(EV)の需要低迷などを受けて、再検討の必要があると訴える。このためトランプ政権は排ガス規制をめぐってカリフォルニア州との協議を続けてきた。

 ただ、これにはカリフォルニア州からの支持は必須だ。同州の大気資源局の権限は大きく、連邦規制が緩和された場合にも独自で規制を維持できる。そのような事態になれば、自動車各社は国内に混在する複数の規制への対応を迫られる。これまでに米自動車市場の3分の1にあたる10余りの州が、カリフォルニア州の規制を取り入れると表明している。

 ウェラム氏は「自動車メーカーによって意見が異なる。規制の変更または若干の変更を求める声がある半面、現状で構わないという意見も出ている。規制を変更するのではなく、順守の方法を調整したり、柔軟性を持たせたりという対処が良いのかもしれない」と思案する。

 ◆無公害車比率を拡大

 一方、カリフォルニア州は大気汚染対策として、さらに強気の姿勢を打ち出している。

 同州のブラウン知事は1月、走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しない無公害車(ZEV)を30年までに500万台普及させる目標を発表。25年までに150万台という従来の目標を引き上げた。

 同知事は、CO2排出量を30年までに1990年比で4割減とすると定めたカリフォルニア州の法律を順守するために、引き上げは必要だと主張。各メーカーに対して、州内で販売するZEVの比率引き上げも求めている。(ブルームバーグ Ryan Beene、Jennifer A.Dlouhy)