今世紀最悪のバブル崩壊の足音 野放図になった「米国型資本主義」への制裁 (2/2ページ)

 その後、米国はニューディール政策の成功と第二次世界大戦で勝利を収め、覇権国に成長。パクスアメリカーナ、つまり米国の覇権による世界の平和を謳歌(おうか)する。しかし、終戦から七十余年経過して、米国型資本主義が限界に近づく中で、再び覇権国交代の時期に差し掛かってきた。だが、新たな覇権国がまだ十分に育っていないところは、大恐慌の時とよく似ている。

 こうして覇権国交代期が接近する中で、巨大バブルが生じていることも1929年当時と、鏡像を描いているようだ。ただ、大きく異なる点がある。それは、大恐慌は米国資本主義経済が大きく飛躍する直前の準備期間だったことだ。一方、これから始まる覇権国の交代は、米国資本主義が衰退に向かう中で起こる。つまり、米国の建国以来230年余にわたり発展してきた米国型近代資本主義の衰退期で生じた「最終バブル」と言っても過言ではないだろう。

 さらに、米金融政策当局がゼロ金利と量的緩和という異例の金融政策を長期間続け、いまだに緩和政策をゆっくりと解除している状況で、株式はじめ金融市場は巨大な「異次元バブル」を醸成してしまった。

 強欲資本主義へ制裁

 これは異次元の金融政策が、市場の見えざる手による調整を押さえ込んできたためで、野放図になった強欲資本主義は極限まで膨張してきたわけだ。

 しかし、いずれ市場の見えざる手が働く。しかも、これまで押さえ込まれていたことに対する、反作用が加わる。金融政策が市場の見えざる手を弱めてきたツケは、異次元へと膨らんでいくことになりそうだ。このところの金融市場の乱高下はその予兆にすぎない。

 アダム・スミスが唱えた「神の見えざる手」は、政策当局ならびにその対話と称する市場操作に追従してきた投資家の行き過ぎた行為に対して、厳しい制裁を加えることを決して忘れるべきではないだろう。(ブルームバーグ Tsuneo Yamahiro)