吉利、欧州で初の生産計画 ボルボ、工場やサービス提供視野

2016年10月、独ベルリンで発表した新ブランド「Lynk&Co」のSUV「01」(ブルームバーグ)
2016年10月、独ベルリンで発表した新ブランド「Lynk&Co」のSUV「01」(ブルームバーグ)【拡大】

 中国自動車大手、浙江吉利控股集団が中国勢として初めて西欧での自動車生産を計画している。同社傘下、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ・カーは、吉利の欧州生産を支える方針だ。ボルボのサムエルソン最高経営責任者(CEO)は9日までにインタビューに応じ、「吉利が海外進出を決め、欧州や米国に展開しようとするならば、われわれが力になれるだろう」と協力姿勢を打ち出した。

 ベルギーにあるボルボの工場で吉利の高級車種を生産する可能性があるほか、欧州におけるボルボのサービスや物流といったインフラを提供することもあるという。

 吉利の李書福・董事長(会長)は同社を国際的な自動車メーカーにするという野心を燃やしている。独フォルクスワーゲン(VW)のような世界大手と渡り合うために、“欧州産”の自動車が生産できれば、吉利にとって幸先の良いスタートとなる。

 吉利が2016年に若年層をターゲットにした新ブランド「Lynk&Co」を発表したのも国際化戦略の一環だ。吉利は同ブランドの第1弾として、スポーツ用多目的車(SUV)「01」を昨年11月、基準価格15万8800元(約270万円)で市場に投入した。この価格は、中国のSUV大手長城汽車の人気モデル「哈弗(ハバル)H6」の1万4000ドル(約152万円)を大きく上回る。

 01はインターネット接続が可能で、物理的な鍵がなくても利用できる。スマートフォンと連動させれば車のシェアも可能という特徴を備える。これまで6000台超を販売した。吉利は海外市場での販売について、時期は19年半ば以降とし、欧州を狙う。

 サムエルソン氏は「吉利をサポートすることはボルボにもうまみがある」と語る。吉利とボルボは昨年、新ブランド「Lynk&Co」を手掛ける合弁会社を設立した。中国の工場ではLynk&CoとボルボのSUV「XC40」が生産ラインを共有している。

 吉利は長年国内市場で低価格車の販売に取り組んできたが、外国市場への関心を徐々に高めている。10年にボルボを米大手フォード・モーターから買収し、これまで110億ドル超を生産設備の近代化に投じた。昨年はマレーシアの同業プロトンの株式約50%や、英スポーツカーメーカーのロータス・カーズの株式51%の購入に踏み切った。

 一方、中国におけるボルボの販売台数は昨年、前年比約25%増の11万4410台を記録した。サムエルソン氏は「中国市場は18年も力強い伸びを示す」と期待を寄せている。(ブルームバーグ Sam Nagarajan、Yan Zhang)