株安の波乱を増幅する恐れ 米財政赤字、トランプ政権下で急増

 トランプ米政権下での連邦財政赤字拡大を背景に、米国は今年、1兆ドル(約109兆円)余りの借り入れを余儀なくされ、世界的な株安の波乱を悪化させる恐れがある。

 上院指導者らが7日遅くにまとめた予算合意により、向こう2年間の政府支出は3000億ドル近く膨らみ、財税赤字は増大する。

 ただ今回の合意以前ですら、バンク・オブ・アメリカ(BOA)の米国担当シニアエコノミスト、ジョゼフ・ソン氏は、連邦財政赤字幅が国内総生産(GDP)比で2019年までに5%を超え、第二次大戦以降の完全雇用状態では群を抜く大きさに達するとリポートで警告していた。

 ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「経済の教科書で議員が取るべきだと記されている行動とは正反対だ」と電子メールで指摘。「赤字財政で減税の原資を手当てし、完全雇用状態で歳出を増やせば一層の金融引き締めと金利上昇を招く」と述べた。

 共和党主導の減税と向こう2年間の予算合意を合わせた財政赤字への影響は、先のリセッション(景気後退)の最悪期だった2009年と10年にオバマ政権時の景気刺激策で増えた5800億ドルを上回る可能性が高い。

 8日の金融市場では、インフレ高進の脅威や債券利回り上昇が米経済の足かせになるとの懸念が再燃し、神経質な展開が続いた。米国株は過去5営業日で4回目の下げとなった。

 8日に実施された米国債入札も財政をめぐる懸念を裏付けた。30年債入札の最高落札利回りは3.121%と、入札前に示されていた水準を上回った。(ブルームバーグ Saleha Mohsin、Liz Capo McCormick)