タイ、輸送中心に投資3.4兆円以上 東部経済回廊、168件の計画承認

東部ラヨン県の自動車工場。タイ政府は同県を含む東部3県に産業集積地を構築する(ブルームバーグ)
東部ラヨン県の自動車工場。タイ政府は同県を含む東部3県に産業集積地を構築する(ブルームバーグ)【拡大】

 タイは、政府が主導する自動車専用道路「東部経済回廊(EEC)」整備構想が進展しそうだ。プラユット暫定首相が委員長を務めるEEC政策委員会が、168件のインフラ整備計画を承認した。投資総額は約9890億バーツ(約3兆4000億円)以上に達するという。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。

 EECはチョンブリ、ラヨン、チャチュンサオの東部3県にまたがる。政府は先進産業の集積地を構築する意向で、第4次産業の振興を図る「タイランド4.0」の中心と位置づけている。政府が指定した先進産業は10業種で、次世代自動車やスマート電器製品、医療ツーリズムなどが含まれる。

 今回承認された計画は輸送分野のインフラ整備が中心で、投資の出所は、政府予算が30%、民間企業が参加する官民連携(PPP)方式が59%、国営企業が10%、国軍が1%となっている。計画の内訳は、道路関連が90計画、空港など物流関連が20計画、港など海洋関連が19計画などとなっており、そのほかに水道関連や電力関連などが含まれる。

 それぞれの計画の実施は2018年、19~21年、22年以降の3段階に分けて行われる予定だ。18年は、緊急性が高いと判断したラヨン県のウタパオ空港のMRO(メンテナンス、修理、オーバーホール)施設建設事業など総額2174億1000万バーツの99計画に着工する。

 19~21年は物流網拡充が中心となり、鉄道や道路整備など総額4143億6000万バーツの62計画を実施する。さらに、22年以降は持続可能な開発環境整備に主眼を置き、カンボジアやラオス、ベトナムなど隣国とのアクセス充実など7計画、総額3571億7000万バーツを実行するとした。

 EEC事務局の幹部は、インフラと法律面の整備進展によって外国企業など機関投資家の信頼も得られるとし、今年の投資委員会(BOI)を通じたEECへの投資申請額が3000億バーツを超えるとの見通しを示した。さらに、向こう5年間は年1000億バーツずつの上積みも可能だと強気の見解を示している。(シンガポール支局)