今回のプラス成長は、輸出や設備投資といった企業部門が堅調な上、内需の柱である個人消費が2四半期ぶりに増えたことで実現した。世界的な景気拡大に加え、日銀の金融緩和が円安株高や低金利の市場環境をもたらし、企業活動の追い風となっていることが背景にある。
緩和マネーが景気を支える構図は世界共通だが、米欧の中央銀行は一足先に緩和縮小へと動きだしている。米国の長期金利上昇や株安が引き金となり、今月に入って東京市場でも株価が急落したことは懸念材料だ。
円安株高の流れが反転すれば、産業界に慎重姿勢が広がり、春闘での賃上げに悪影響が出かねない。個人消費の拡大を通じた経済の好循環が遠のくことになる。