在外国民1000万人観光誘致 比、主要客源国の中国にアピール

観光客に人気のボラカイ島のビーチ=フィリピン中部(ブルームバーグ)
観光客に人気のボラカイ島のビーチ=フィリピン中部(ブルームバーグ)【拡大】

 フィリピンは約1000万人もの海外在住の国民を通じて観光業を振興し、主要な観光客源国である中国との友好関係を強化する方針だ。インバウンド市場で他の東南アジア諸国からの後れを取り戻す狙いがある。

 ◆懸賞品で後押し

 フィリピン観光省は、外国人観光客誘致の取り組みとして昨年10月から「ブリング・ホーム・ア・フレンド」制度をスタート。海外在住のフィリピン人が外国人観光客をフィリピンに招待することで、懸賞品を当てることができる。懸賞品の例としては、20万ペソ(42万円)相当の商品券や、トヨタ自動車が東南アジアなどで販売している小型セダン「ヴィオス」、マニラの700万ペソの分譲マンションなどがある。テオ観光相はインタビューに応じ、同制度によって2018年の政府目標である外国人訪問者数740万人突破を後押しできると語った。

 国連世界観光機関によると、16年の外国人訪問者数はマレーシアの2680万人、タイの3260万人に対し、フィリピンはわずか約600万人だった。フィリピンは、公共インフラの整備が遅れていることに加え、長期にわたり反乱が続いている南部の治安問題などが集客の足かせとなっている。一方、観光客の間では中部ボラカイ島のホワイトビーチや西部パラワン島エルニドのダイビングスポットなどが人気だ。同相は昨年、中国が韓国に次ぐフィリピンの観光客源国となったと指摘。中国の観光客はビーチだけでなく、カジノで賭博を楽しむ目的などで観光に訪れているという。中国人観光客らはドゥテルテ大統領の対中関係重視政策の下でフィリピンとの友好関係を見いだしている。

 ◆1200万人目指す

 テオ観光相はアラブ首長国連邦(UAE)、インド、カナダをフィリピン観光の新市場として位置づけている。観光省は「スポーツと美食の中心地」としてフィリピンの魅力をアピールすることを検討している。

 同国政府は今年の国際観光収入の目標を4730億ペソ、国内観光収入を2兆1300億ペソに設定している。22年までには観光客数1200万人突破を狙う。政府統計によれば、16年の国内総生産(GDP)に占める観光産業の割合は8.6%だったという。

 同相は「ドゥテルテ大統領が展開する“麻薬戦争”やミンダナオ島での戒厳令が観光客誘致の妨げとなることはない」と説明。また、1月にルソン島南部のマヨン火山の活動が活発化したことを受け、逆に観光客が増加していることを踏まえ、自然災害についても観光振興の大きな阻害要因にはならないと話した。フィリピンにとってインフラの整備と誘致策の強化こそが真に取り組むべき課題だと話した。(ブルームバーグ Ditas Lopez)