閉鎖コストは1000億ドル規模 アジア太平洋地域の遊休油田・ガス田 (1/2ページ)

豪シドニーの石油精製施設。ブームの中で開発された油田の閉鎖が大きな課題になっている=2004年10月(ブルームバーグ)
豪シドニーの石油精製施設。ブームの中で開発された油田の閉鎖が大きな課題になっている=2004年10月(ブルームバーグ)【拡大】

 アジア太平洋地域で1970年代から80年代にかけて開発されながら現在は遊休状態になっている沖合の油田や天然ガス田の閉鎖コストが合計で1000億ドル(約10兆8700円)規模に上る見通しであることが最新の調査で明らかになった。こうしたコストの半分は各国の国営石油会社、最終的には納税者が負担することになるとみられている。

 放置なら崩壊リスク

 エネルギー関連のコンサルティング会社、英ウッドマッケンジーが13日までにまとめた調査によると、中国やタイ、マレーシア、インドネシア、オーストラリアをはじめとするアジア太平洋地域には3万5000に上る油田、ガス田に加え、2500を上回る洋上石油リグなどの開発施設、5万5000キロメートル以上のパイプラインがある。石油化学製品の汚染にさらされた鉄鋼は750万トンに上るという。

 油井や天然ガス井の閉鎖は米国のメキシコ湾や欧州の北海などでは常識だが、アジア太平洋地域では相対的に歴史が浅い。

 シンガポールでインタビューに応じたアナリストのジャンバティスト・ベルショトー、プラサンス・カカラパルチ両氏は「閉鎖が十分に行われなければ漁業が生活の糧となっている地域の環境に打撃を与えかねない」と指摘した。

 カカラパルチ氏は「生産施設が寿命を迎え、閉鎖せずに放置したままでは毎日、崩壊のリスクがある。企業や政府に早急な整理を促す圧力になる」と指摘した。同地域では、豪州とタイを除いて油田閉鎖に向けた強力な規制はないという。

 原油価格が4年連続で1バレル=100ドルを下回る中で業績回復に向け出費を抑制しているエネルギー企業にとって、閉鎖するには最悪のタイミングといえる。

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