譲歩なければ韓国完全撤退 GM、群山工場閉鎖で警告

 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は12日、韓国の群山(クンサン)工場を閉鎖すると発表した。他の韓国内の工場についても、事業継続を協議している韓国の政府と労働組合から必要な譲歩を得られなければ閉鎖し、同国から完全に撤退すると警告した。

 韓国事業の黒字化に取り組んでいるGMは、同工場を5月末までに閉鎖し、約2000人を削減する。同社は韓国にある他の工場の操業継続に必要なコスト削減を伴う変更について、労組幹部や政府指導者、子会社韓国GMの主要株主と協議している。

 GMの発表によると、工場閉鎖に伴う特別費用、最大8億5000万ドル(約920億円)を4~6月期(第2四半期)に計上する。

 GMのアマン社長は電話インタビューで、「存続、持続の可能な黒字事業とするとともに、成長し続けられるようにする必要がある。時間はなく、全ての当事者が切迫感を持って行動する必要がある」と述べた。

 群山工場は小型車「クルーズ」やスポーツ用多目的車(SUV)「オーランド」などシボレーブランドの生産を行っている。群山工場の稼働率はわずか20%で、昨年組み立てた3万4000台の約3分の1は輸出向けだった。

 韓国GMは群山工場を含め4カ所の工場を運営しており、従業員数は1万5663人に上る。韓国GMはシボレーブランドの乗用車を欧州に輸出していたが、2013年に米GMが欧州市場からシボレーを撤収して以降、輸出量が急減したため業績が悪化した。

 韓国GM労組の広報担当は「労使が賃金交渉を行っている中での今回の発表は非常に理不尽だ」「欧州市場撤退による赤字の責任を労働者に転嫁するのは合理的ではない」などと主張。米GMは月内に労組や韓国産業銀行などとの協議を進展させる必要があると説明した。

 韓国GMの株式は韓国産業銀行が17%、中国上海汽車(SAIC)が6%、残りを米GMが保有している。(ブルームバーグ David Welch)