FRB議長利上げ継続表明 株安に金融安定化の警戒怠らず

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 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は13日ワシントンで就任式典に臨み、最近の株価急落を踏まえ、金融システムへの脅威に対する警戒を怠らないとしつつも、緩やかな利上げを継続する方針を表明した。

 議長は「われわれは金利政策とFRBのバランスシートの双方を緩やかに正常化するプロセスにある」「金融安定性へのいかなるリスクの高まりも引き続き警戒する」などと語った。

 議長の今回の発言は、賃金の伸び加速がインフレ高進や金融当局による利上げペース加速を招くのではないかとの懸念が一因となり、金融市場が過去数年で最も深刻な動揺に見舞われて以降、公の場では初めて。

 議長は株価急落に具体的に言及しなかったものの、他の米金融当局者はそれが経済や金融システムに大きな影響をもたらす可能性に否定的な考えを示している。

 ニューヨーク連銀のダドリー総裁は先週、「株安は大したことではない」と指摘。クリーブランド連銀のメスター総裁は13日、市場の動揺によって自身の経済見通しや将来の利上げを支持する姿勢に影響はないと発言した。

 メスター総裁はオハイオ州デイトンでの講演で、「経済が予想通り進展したなら、今年と来年についても、昨年と同様のペースで金利をさらに引き上げる必要があるだろう」との見解を表明した。

 FRBは昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表した経済予測のうち、金利予測分布図(ドット・プロット)で今年は3回の利上げを見込んでいることを予想中央値として示した。今年1月30、31両日に開いたFOMC後の声明でも、「(主要政策金利である)フェデラルファンド(FF)金利のさらなる漸進的な引き上げを予想する」として、こうした見通しを実質的に繰り返した。

 JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は13日のパウエル議長の発言について、「FRBの1月のメッセージと調和している。利上げのプロセスにあり、最終ゴールには近づいていない」と分析した。(ブルームバーグ Rich Miller、Christopher Condon)