ばら積み船運賃に下げ圧力 ADMとブンゲ合併なら世界5位

ADMの施設から穀物を積み込む貨物船=米テキサス州の港(ブルームバーグ)
ADMの施設から穀物を積み込む貨物船=米テキサス州の港(ブルームバーグ)【拡大】

 穀物メジャー(国際資本)のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)とブンゲが合併すれば価格決定力が高まり、ドライバルク船(ばら積み船)の貨物運賃に下押し圧力がかかる可能性がある。

 合併により、中小型のドライバルク貨物船であるスーパーマックス、最大型のパナマックスを利用する農産物大手の一社となり、用船者(チャーター契約者)としては世界のトップ5に浮上する。この規模であれば貨物運送業務の効率性が高まり、コスト競争力も向上するだろう。しかし用船者の競争緩和は、海運会社にとっては向かい風だ。クラークソンのデータによれば、2015年から17年にかけてのドライバルク用船者としてADMは12位、ブンゲは8位だった。両社とも主に農産物を出荷している。

 穀物最大手のカーギル、鉄鉱石大手リオ・ティント、海運会社のオルデンドルフが世界の3大用船者だ。

 農産物は世界のドライバルク貿易の約15%を占めており、ドライバルク船輸送の需要動向は世界の農産物製品の持続的な需要の伸びに大きく依存する。ADMとブンゲは自社保有の船舶とチャーター船を用いて小麦、穀物、大豆を含む数百万トンの農産物を出荷している。両社は今後も長期契約により輸送船を確保するほか、不定期船も利用すると考えられる。クラークソンによれば、今後数年、農産物のバルク輸送需要は3~5%増加する見通しだ。

 ブンゲとADMが合併すれば巨大企業が誕生し、独禁当局の審査対象となる可能性がある。合併後の事業体は年間8600万トンの油糧種子粉砕能力を持ち、世界の大豆生産量の25%を加工できることになる。ブンゲの砂糖加工能力は年間700万~800万トンで、これはブラジルの砂糖生産量の20%に当たる。一方ADMは、トウモロコシを原料とする甘味料の生産で米国の業界をリードしている。(ブルームバーグ Rahul Kapoor、Chris Muckensturm)