中国年金制度、破綻の危機 労働人口減少と高齢化で財源枯渇 (2/3ページ)

 習近平国家主席は企業間にはびこる債務増大を抑制しようとしている。だが、中国政府が何年もの間、財政補助により赤字幅を拡大して年金不足を穴埋めする必要がある点を考えると、年金の財源不足は喫緊の課題だ。中国全国人民代表大会(全人代=国会)開幕日の3月5日に指導部が年金の先行きについて最新情報を提供する可能性はある。

 政府歳入は昨年、7.4%増と11年以来で初めて増加したものの、経済成長が鈍化する中で歳入回復が続く可能性は低い。また政府が不足分を補填する余力は限られ、一時的に年金不足を穴埋めするために政策当局者は起債を迫られかねない。

 香港、中国本土の年金基金や投資顧問会社向けに助言するコンサルティング会社、スターリング・ファイナンス(香港)のスチュアート・レッキー会長は「中国は過去数年間、多くの局面で非常にうまくやってきたが、実のところ年金問題については手つかずのままだ」と述べ、政府に常時年金を支払う能力があるとしても、被雇用者、企業の保険料負担が大幅に引き上げられたり、年金支給額が減額され得ると指摘した。

 李克強首相は昨年の全人代で「2017年政府活動報告」を発表し、年金支給の増額を約束。「人民の幸福を担保する強固なセーフティーネットを構築する。基礎年金支給額の引き上げを続ける所存だ」とし、「予定通り満額支払われるものと考える」と強調した。

急速に進む高齢化