中国年金制度、破綻の危機 労働人口減少と高齢化で財源枯渇 (3/3ページ)

 高齢化は急速に進んでいる。国務院は昨年、30年までに60歳以上の割合が10年の国勢調査時の13.3%から増えて、人口の約4分の1を占めるまでになると見通した。一人っ子政策を廃止しても、高い生活費が家族数の増加を阻み、出生率は上昇していない。昨年の出生数は1720万人と、16年の1850万人から減少した。

 それでも、エンオウドウのチーフエコノミスト、ダイアナ・チョイルバ氏は「中国の高齢化といえば、とかく高齢者の従属人口指数(生産年齢人口に対する老年人口の比率)と財政負担の観点から分析されがちだが、年金受給者の割合が増えることで、高齢無職世帯の消費支出が拡大し、個人消費が底堅く推移する点は指摘に値する」と語る。

 20年以降、赤字急増も

 ただ中国財政省関連のシンクタンク、中国財政科学研究院(CAFS)の劉尚希院長は、そうしたプラス効果はさておき、年金制度に疲弊の兆候は既に見えてきており、20年以降、赤字は「急増する」と指摘する。

 中国政府は昨年11月、年金の財源を強化して支給負担を緩和するために、一部の大手国有企業(SOE)、国有金融機関の株式10%など国有資産を全国社会保障基金(NSSF)に移管する方針を明らかにしたが、詳細は公表されていない。

 中国のシンクタンク、中国金融40人論壇のシニア研究員、ジャーン・ビン氏は「中国は政府負担額を減らすために個々人に退職に向けてもっと投資するよう奨励すべきだ。政府だけで全てを負担できない」と語った。(ブルームバーグ Yinan Zhao、Jing Zhao)