サウジ投資、懸念は一掃 汚職混乱収束、大手銀が事業拡大急ピッチ (1/2ページ)

 世界の大手銀行がサウジアラビアでの事業拡大を急いでいる。サウジ当局が汚職取り締まりの一環として、一部の王族や有力実業家を昨年11月に拘束してから4カ月が経過し、混乱が収まりつつあるためだ。経済成長と脱石油依存の両立を目指す同国には外国からの投資は必須であり、改革の旗振り役を務めるムハンマド皇太子に光明が差し込んでいる。

 取引環境は良好

 スイスのUBSや米ゴールドマン・サックスは採用など人事面を強化。UBSは最近、超富裕層向け事業の担当者を採用した。サウジ株のトレーディング業務の開始を準備するゴールドマンは、サウジ株式事業の責任者を指名した。

 2004年にサウジ市場から撤退した米シティグループは復帰後初となる新規株式公開(IPO)助言業務を獲得。ドイツ銀行もサウジ業務の拡大に向け、90人規模のチームを結成した。同行は「債券・株式発行見通し改善に伴い、今年の取引環境は非常に良くなるとみている」と期待を込めた。

 これは昨年11月の混乱とは対照的な状況だ。中東有数の富豪で著名投資家のワリード王子を含む富豪複数人が当局に拘束された際、取り締まりの厳しさと透明性の欠如を受け市場は動揺した。

 同王子から長年にわたり支援を受けていたUBS、JPモルガン・チェース、クレディスイス、シティグループなどの金融大手には事業への影響について懸念が広がった。各社は史上最大規模と予想される国営石油会社サウジ・アラムコのIPOに伴う巨額手数料を狙い、サウジへの投資を進めていた。

拘束が解かれ懸念一掃も、株価指数は低水準