NAFTA再交渉に悪影響 第7回会合閉幕、目立った進展なく

記者会見後、撮影に応じる(左から)カナダのフリーランド外相、メキシコのグアハルド経済相、米通商代表部のライトハイザー代表=5日、メキシコ市(AP)
記者会見後、撮影に応じる(左から)カナダのフリーランド外相、メキシコのグアハルド経済相、米通商代表部のライトハイザー代表=5日、メキシコ市(AP)【拡大】

 メキシコ市で開かれていた北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第7回会合が5日、閉幕した。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は「妥結のための時間がなくなりつつある」とし、進展が期待を下回ったと示した。米国が鉄鋼とアルミニウムに関税を課す方針が、長引く交渉にさらなる影を落としている。

 ライトハイザー氏は、7月1日のメキシコ大統領選に向けた選挙戦が来月始まり、米国は11月に中間選挙を控えていることから、「協議が長引けば政治的な向かい風をもっと感じるようになる。3カ国による合意が望ましいと考えているが、協議がうまくいかなければトランプ米政権として2国間の個別の取引を検討する可能性もある」と話した。一方、カナダのフリーランド外相は「着実な前進が見られる。妥結に向けて全力で取り組む」と表明。メキシコのグアハルド経済相も「通信や金融サービス、国有企業といった分野で合意は近い」と交渉の成果を強調した。

 だが、議論の難航が予想される議題に関しては目立った進展はない。ライトハイザー氏は、昨年8月の協議開始以降、妥結に至ったのは約30ある分野のうち6分野のみだと明かした。

 交渉をさらに複雑にしているのが、米政権が発表した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限だ。関係者によると、カナダのトルドー首相は5日、トランプ米大統領との電話会談で「カナダへの関税賦課の可能性が、NAFTA妥結の障害となっている」と苦言を呈したという。

 トランプ氏は同日、ツイッターでNAFTA改定に向けてカナダとメキシコが米国側の条件を受け入れた場合には、両国を関税の対象外とする案を初めて明らかにした。ライトハイザー氏は「NAFTA妥結に成功すれば、カナダとメキシコを関税対象から除外するのは理にかなうというのが、トランプ氏の見方。関税除外は妥結に向けたインセンティブ(動機付け)だ」と述べた。これに対し、フリーランド氏は記者会見で米国が関税を課した場合には報復措置を取る考えを改めて表明し、グアハルド氏はメキシコを除外するのは賢明だと述べた。

 次回会合は4月にワシントンで行われる予定だ。(ブルームバーグ Eric Martin、Andrew Mayeda)