【ビジネスアイコラム】安倍首相周辺が気にする「2019年危機」 脱デフレへ財政出動にかじ (1/2ページ)

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 ■「若田部日銀副総裁」は転換シグナル

 4月に改まる日銀首脳人事は黒田東彦総裁の続投ということで市場は無風だが、拙論は違う。金融・財政の重大な路線転換期に入ると見る。

 鍵は、安倍晋三首相が副総裁に指名した若田部昌澄・早稲田大学教授である。同教授は国会での所信表明・質疑で、「金融緩和に限界はない」と断じ、追加緩和に積極姿勢をみせたばかりではない。

 脱デフレに向けた政府と日銀の共同声明の改定の可能性についても言及した。金融と財政の両輪の組み合わせの必要性を論じてきた若田部氏は、緊縮財政と金融緩和のポリシーミックスに執着する黒田総裁や財務省とは大きく見解が異なる。

 同じく副総裁に指名された雨宮正佳氏ら日銀の生え抜きグループは財政を財務省の聖域として扱ってきた。そんな中で若田部氏が政府・日銀共同声明に金融・財政融合を盛り込むには形勢不利に見えるが、「検討する価値あり」と安倍首相サイドからの評価を受けるだろう。

 既存の共同声明は2013年1月22日付で、タイトルは「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について」と、長ったらしい。政府・日銀が一体という触れ込みだが、具体策は日銀任せで、日銀の金融政策を通じて物価安定目標2%達成を目指す。

首相周辺が気にする「2019年危機」