【太陽の昇る国へ】大局観に立った憲法改正論議を 幸福実現党党首・釈量子

衆院予算委で答弁する安倍首相=2月14日
衆院予算委で答弁する安倍首相=2月14日【拡大】

 --働き方改革をめぐり、裁量労働制に関する厚労省のデータが問題となり、関連法案から裁量労働制の対象拡大を削除することとなるなど、国会で与野党の対立が深まっています

 データの不備は、官邸への“忖度(そんたく)”との見方もありますが、官邸優位の政治状況にあって、政権サイドが緊張感を欠いていることは確かだと思います。3年前も同じデータが使われていたようですが、これまで問題が見過ごされてきたことは、政府・与党の怠慢ではないかとも感じます。

 働き方改革に関しては、以前も指摘したように、基本的には、国として規制を強めるのではなく、規制緩和などにより、労使が納得できる環境づくりや多様な働き方を後押しすべきと考えます。解雇規制の緩和による雇用流動化も必要でしょう。こうした観点から議論を注視していくつもりです。

 --さて、自民党は党大会までに9条や緊急事態、合区解消、教育充実について改憲案を取りまとめる予定です

 憲法はこの国のかたちを決める最高法規です。改憲にあたっては、枝葉末節ではなく、大局観に立った骨太の議論が必要です。以前、からめ手と言うべき96条の改憲要件緩和を安倍晋三首相は掲げていましたが、自衛隊明記や緊急事態条項、教育充実など今回の検討も、国民の反発を避ける「お試し改憲」の思惑がうかがえます。合区解消のための47条改正などは、参院のあるべき姿に関する議論を欠いており、党利党略に過ぎるのではないでしょうか。

 いずれにせよ、現行憲法は占領下の制定であり、改憲はとりもなおさず、“戦後”に終止符を打つことでもあると思うのです。幸福実現党は立党直後に「新・日本国憲法 試案」を打ち出し、新憲法制定の必要性を訴え続けてきました。日本人の手で、主権国家にふさわしい憲法に創(つく)り直すべきだというのが、私たちの考えです。

 --改憲の焦点は9条改正です

 戦後日本は、軽武装・経済優先のいわゆる吉田ドクトリンを堅持し、安全保障を米国に依存しながら、平和を享受してきました。長年、多くの政治家が改憲や国防論議を避け続けてきた、その結果が今日の国防上の危機だといえます。

 中国や北朝鮮の脅威が高まるなかにあってなお、憲法9条を墨守すべしという言説が見られます。平和を叫ぶのも結構ですが、これは日本を危地に追い込むことにもなりかねません。9条改正に関し、自民党内では2項を維持し、自衛隊や自衛権を明記する案が検討されているようですが、これは自衛隊を「戦力」とするものではなく、国防の手足が縛られた現状に変わりはありません。戦力をめぐっての神学論争なども続くと思われます。

 安倍首相は先月14日の衆院予算委で、専守防衛について「純粋に防衛戦略として考えれば大変厳しい」「相手からの第一撃を事実上甘受し、かつ国土が戦場になりかねない」と発言しましたが、敵基地攻撃能力保有などによる抑止力強化はもちろん、国家国民を守り抜けるよう、9条を全面改正し、防衛政策を転換すべきだと思うのです。

 また、現行憲法は前文の「平和を愛する諸国民」に対する信頼を前提に、9条で戦争放棄や戦力不保持などを定めています。しかし、核武装・大陸間弾道ミサイル(ICBM)配備に突き進む北朝鮮を見ても、前文が破綻していることは明らかです。

 --韓国特使団と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が会談し、南北首脳会談の4月末開催で合意しました

 これまでの北朝鮮の対応を見る限り、結局は核・ミサイル開発の時間稼ぎに使われかねないと思います。南北接近を歓迎する声もありますが、日本として警戒を緩めてはなりません。また、安全保障問題に関しては、北朝鮮にかかわらず、中国とも日本は対峙(たいじ)せねばなりません。どのような事態にも即応できるよう、防衛体制整備を図るべきです。

 空想的平和主義を奉じたり、小手先の憲法改正を行ったりしている場合ではありません。私たち幸福実現党は、国防強化や必要な改憲に向けて、国民の合意形成を図るため、力を尽くします。

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【プロフィル】釈量子

 しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。