【全人代2018】(下)国有企業への融資で“モラルハザード” (1/3ページ)

中国政府が公的管理下に置くと発表した保険大手の安邦保険集団=北京(共同)
中国政府が公的管理下に置くと発表した保険大手の安邦保険集団=北京(共同)【拡大】

 ■李克強首相 「金融リスク」回避強調

 李克強首相による「政府活動報告」で、危機感をもって語られているのが「金融システムリスク」だ。これまでの経済成長の過程で、地方政府を中心にインフラ建設や地元の不動産開発などでさまざまな形態の融資が行われたものの、採算が取れなかったり、物件が売れ残ったりするなど不良債権化しているプロジェクトがどの程度あるのか、なお闇の中だ。

 国有商業銀行が地方政府に命じられるまま、十分な担保や信用保証もないまま巨額の融資を行った結果、プロジェクトが当初の計画通りには進まず、返済が滞るにもかかわらず追加融資などでしのいでいるケースがある。国有商業銀行も国有企業を相手に融資を行う場合、「政府がバックにいるから貸し倒れはあり得ない」とみる“モラルハザード(倫理観の欠如)”が各地で起きているとされる。

 仮に何らかのきっかけで一部地域で不動産市況が下落し、担保価値を失う物件が続発すると、地方によっては経営破綻に追い込まれる銀行が現れる恐れがある。その銀行に資金を提供している別の銀行などにも影響がおよんで連鎖的に経営破綻が広がれば、経済全体の仕組みに痛手となる。李氏はそうした「金融システムリスクを生じさせないという最低限のラインを必ず守り抜く」と述べた。

「スーパー金融庁」創設?