高品質鉄鉱石、市況は堅調 中国の鉄鋼減産半ばにも解除

 中国政府が過剰生産能力の削減と大気汚染対策で今冬実施した鉄鋼の生産抑制策が3月半ばに解除される見通しだ。専門家は、今回の前例のない冬季減産政策の終了後も、鉄含有比率の高い鉄鉱石の市況が軟化することはないとみている。

 鉄鋼世界最大手の豪英BHPで販売・調達・市場分析を管掌するアーノウド・バルフィゼンCCO(チーフ・コマーシャル・オフィサー)によると、大気汚染対策で生産制限を敷いた各省が規制を解除するのに伴い、段階的に生産が再開されるもよう。同社は主要メーカーが工場の生産量を増やし、生産ペースが上がる4~6月期には冬季減産分を取り戻すと予想している。

 バルフィゼンCCOは「一番蓋然性が高いと考えるベースケースは、地方の冬季生産抑制が時間や場所をずらして徐々に解除されるというものだ。4~6月期のどこかの時点で各地の高炉の稼働率が冬季減産入り前を上回る高水準に戻るだろう。(汚染源となる)誘導炉の恒久的閉鎖で建設用鉄鋼に生じている需給ギャップを埋めるためだ」と説明した。

 全世界の供給量の半数を占める中国が国際市場におけるトッププレーヤーであることは間違いなく、鉱山会社と投資家は中国当局の取り組みの影響を見極めようとしている。中国の試みが鋼材など鉄鋼製品価格を下支えし、高品位の鉄鉱石需要を喚起したことで、BHPや英豪系リオティントグループ、ブラジルのヴァーレなど大手鉱山会社は恩恵を受けている。

 同CCOは今後、鉄鉱石の平均価格が下がる可能性はあるものの、純度の高い鉄鉱石が引っ張りだこの状況は続くとするBHPの予想を示し、「17年7~12月期の平均価格と同水準を維持するのは難しいだろうが、鉄含有量62%の鉄鉱石価格は比較的回復力があると楽観視している」と語った。指標となる鉄鉱石の価格をみても、鉄含有の比率が58%と低品位が下落する半面、含有比率65%と高品位の鉄鉱石には需要がある。一方で自身は、中国で住宅や自動車が伸び悩んでいることから、今年の同国の需要が低迷する可能性があるとみている。

 また、中国政府が2016~20年の5年間の経済発展の道筋を示した「第13次5カ年計画」に言及し、粗鋼生産の設備稼働率(生産量/生産能力)が、生産サイクルの底では70%を若干下回り、混乱を招いたピーク時には85%を超えたのに対し、「80%というのが長期均衡の水準だとみており、5カ年計画で示した目標と一致する」と指摘した。(ブルームバーグ、Jasmine Ng)