最大の犠牲者は米企業 輸入関税 トランプ大統領、指示文書に署名へ (1/3ページ)

米ニュージャージー州にあるウォルマートの店舗。米政権による輸入関税政策は、仕入れを中国製商品に頼る米国企業にも大きな打撃を与える(ブルームバーグ)
米ニュージャージー州にあるウォルマートの店舗。米政権による輸入関税政策は、仕入れを中国製商品に頼る米国企業にも大きな打撃を与える(ブルームバーグ)【拡大】

 米国のトランプ大統領はワシントンで8日午後3時半(日本時間9日午前5時半)に鉄鋼とアルミニウムに輸入関税を課す指示文書に署名する。米国は輸入関税の対象を他分野にも拡大する検討を進めており、米国に輸出しているさまざまな外国メーカーだけでなく、これらの輸入品に頼る多くの米国企業が打撃を受けるとみられている。

 崩れる供給網

 鉄鋼業界ではニューコアやAKスチール、USスチールなど米国勢が恩恵を受け、メキシコやカナダ、ブラジル、中国、日本の鉄鋼各社が敗者になるとみられている。また、米金融サービス会社コーウェンの顧客向けリポートによると、海外から原料のアルミを輸入している航空機最大手ボーイングも、深刻な打撃にこそ至らないものの、エアバスとの競争で不利になる。

 輸入関税は、ウォルマートやナイキなどの米企業に商品や素材を供給する中国の大手製造業者も標的に含まれている。

 米国が輸入する中国製のモノの額は年間約4500億ドル(約47兆7700億円)。トランプ政権は靴や衣類、家電製品などさまざまな物品への関税賦課を検討しており、裕元工業(集団)やリー・アンド・フォン(利豊)などの企業への影響が必至とみられる。貿易戦争の被害を被るのは中国企業ばかりではなく、これら企業がサプライヤーとして密接な関係を持つ米ブランドにも余波が及ぶ。

一番の心配は貿易戦争