北の対話前向き姿勢の要因 輸出制限で外貨準備高が急減

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が核プログラムに関する対話に前向きの姿勢を示した背景には、外貨準備高の急減があるかもしれない。

 制裁によって昨年の輸出を制限された北朝鮮は外貨準備が急減し、今年は必需品の輸入にも事欠く状況だと韓国の研究者らが指摘する。さらに、インフレ高進のリスクもあると、韓国の対外経済政策研究院(KIEP)が先月のリポートで指摘した。韓国開発研究院(KDI)は北朝鮮の経済低迷を警告している。

 北朝鮮はこれまで、核兵器をめぐる譲歩をちらつかせて支援を確保し、後で合意をほごにしてきた経緯がある。今回は韓国の文在寅大統領との首脳会談に合意し、トランプ米大統領は対話にオープンな姿勢を示唆した。KIEPの研究員、チェ・ジャンホ氏は「北朝鮮の外貨準備についての見積もりが正しければ2018年の輸入減少につながり、下半期から民間市場活動と工業生産が減速するだろう」として、「原材料や原油の輸入が滞れば、金政権の産業政策の変更は避けられないだろう」と分析している。

 韓国の機関がまとめたデータによると、北朝鮮の最大貿易相手国である中国への輸出は17年に37%減り、輸入は4%増加。モノの貿易収支は17億ドル(約1800億円)の赤字となった。(ブルームバーグ Jiyeun Lee)