加ドルとメキシコペソ岐路 一時上昇、市場の見方は「限定的」

 トランプ米大統領が、カナダ、メキシコ両国を鉄鋼・アルミ関税の適用対象から除外するとしながらも、北米自由貿易協定(NAFTA)から離脱する可能性を改めて示したことを受け、市場関係者らの間には両国の通貨の上昇が限られたものになるとの見方が出ている。

 8日の外為市場でメキシコペソは世界の主要通貨の上げを主導。カナダドルもこのニュースを受け、一時の下げを消した。

 ラボバンクの金利・為替ストラテジスト、クリスチャン・ローレンス氏は「カナダとメキシコに一段の圧力がかかるだろう。NAFTA再交渉がまとまらなければ、両国はより保護貿易主義的となった米国への対応を迫られることが浮き彫りになった」と指摘する。

 パンテオン・マクロエコノミクスのシニアエコノミスト、アンドレス・アバディア氏はリポートで、「トランプ氏の、より有害で無理な選挙公約の大部分は途中で挫折する公算が大きい。米議会はNAFTA崩壊も、全面的な貿易戦争につながりかねない主要産品への輸入関税も支持していない」と指摘。米通商政策はより抑圧的に転じるものの、狙いを絞った動きになるとの見方を示した。(ブルームバーグ William Mathis、Katherine Greifeld)