審美性だけでなく「美意識」を育てよ デザインの考え方で社会変革目指すリトアニア (3/3ページ)

ルータ・ヴァルサイティ氏
ルータ・ヴァルサイティ氏【拡大】

 EUのイノベーション政策の一つとして各国で実施されている、中小企業向けのデザインコースをリトアニアでも実施した(コース背景・詳細は安西洋之・八重樫文『デザインの次に来るもの』をご覧ください)。それをルータがオーガナイズした。

 「英国リバプールでのコースを見学しました。あそこと比べるとリトアニアではデザインに関する知識は全般的に低いですが、デザインの考え方を取り入れたいとの強い意欲は窺えました。特に、ビジネス全体を対象にするサービスデザインや意味のイノベーションという2つのテーマに対する関心が高かったです」と彼女は語る。

 このコースは参加者が学ぶだけが目的ではなく、社会の広い範囲に学んだことを普及させていくことが目標だ。啓蒙のきっかけをつくる。

 「私たちの国には何もないので、世界にあるあらゆる理論やアイデアに貪欲に食いついていくしかありません。試してみるしかないのです」と話すルータはデザインの実務経験があり、大学でデザインを教える。

 同時に、現在、ミラノ工科大学で博士論文の最終仕上げに全力を傾けている。(安西洋之)

【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)

安西洋之(あんざい ひろゆき)上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『デザインの次に来るもの』『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。