東日本大震災7年 名目GDP65兆円増 安倍政権で急速回復

 東日本大震災ではインフラ毀損(きそん)などの直接的な被害に加え、生産、輸出、消費の低迷といった実体経済への悪影響も大きく出た。潮目が変わったのは2012年12月の安倍晋三政権発足で、アベノミクス「第1の矢」の金融緩和策により円高が是正され、企業業績や雇用、消費は大きく回復。17年10~12月期の名目国内総生産(GDP)は550兆6752億円と、震災直後の11年4~6月期(485兆213億円)から約65兆円拡大した。

 内閣府によると、震災の直接的な被害は、津波による建物の破損やサプライチェーン(供給網)の寸断、東京電力福島第1原子力発電所の事故、電力供給の制約などだ。インフラや電気、ガスなどライフラインの被害総額は16兆~25兆円に達したと推計される。

 影響は国内経済全体に波及した。部品の配送遅れや節電、計画停電などで生産や輸出が減少し、自粛ムードで旅行や外食、高級品の消費も低迷。11年1~3月期の実質GDPは2四半期連続マイナスの前期比6.0%減(年率)と、マイナス幅が前期の2.9%減から拡大し、同4~6月期も2.0%減となった。

 復興需要もあり同7~9月期には10.1%増と大きく改善、その後も成長率は回復傾向を見せたが円高は改められず、11年10月には円の戦後最高値となる1ドル=75円32銭を記録。日経平均株価は8000円台~1万円程度で低迷し完全失業率は4%台で高止まりした。

 だが、安倍政権が発足すると円高と株安は急速に是正。足元では今月9日、1ドル=106円台まで円安が進み、日経平均株価終値は2万1469円まで値上がりした。企業収益や設備投資、雇用も回復し、今年1月の完全失業率は2.4%と24年9カ月ぶりの低水準になった。