液体ミルク、今夏にも解禁 災害時活用へ国内製造可能に

熊本地震で被災し、贈られた乳児用液体ミルクを飲む園児=2016年4月、熊本県
熊本地震で被災し、贈られた乳児用液体ミルクを飲む園児=2016年4月、熊本県【拡大】

 災害時に便利な乳児用液体ミルクの国内流通に向け、厚生労働省は薬事・食品衛生審議会の部会を開き、企業が製造、販売するための規格基準案を示した。内閣府の食品安全委員会の議論を経て、早ければ今夏に規格基準を定める省令を改正する見通しで、国内製造が可能になる。試験期間などが必要なため、商品が店頭に並ぶのは1~2年後になりそうだ。

 乳児用液体ミルクは海外で広く流通しているが、国内で安全性を担保する規格基準がないため、企業が製造、販売できない。政府は2016年の熊本地震を機に、流通に向けた議論を本格化。日本乳業協会が今年2月に提出した検査結果を基に、厚労省が基準案を定めた。

 検査では、調製粉乳と同様の成分で製造した液体ミルクを滅菌状態で缶や紙パックなどの容器に保存し、25度の常温で半年~1年にわたり経過を観察。色が茶色っぽくなったものの、風味や栄養成分の増減に異常は見られず、安全と判断された。

 政府は同時に、液体ミルクを乳児の発育に適した特別用途食品と表示できるよう手続きを進める。乳業協会によると大手乳業メーカー数社が前向きに検討しており、省令改正後に商品開発に着手するとみられる。ただ、賞味期限を確認する試験期間などが必要となるため、流通には、しばらく時間がかかるという。

【用語解説】乳児用液体ミルク

 乳児用の調整乳。常温で長期間保存でき、授乳時にも湯で溶かす必要がないため、災害時や外出時の利便性が高い。日本乳業協会が2009年に規格を設けるよう厚生労働省に要望したが、安全性を示すデータがなく議論が中断していた。16年の熊本地震を機に関心が高まり、厚労省が17年3月、8年ぶりに議論を再開した。