丸亀製麺、カンボジアに新業態店 中・低所得層向け「超廉価」 (1/3ページ)

開店式典であいさつするトリドール・カンボジア代表の東山康義さん(木村文撮影)
開店式典であいさつするトリドール・カンボジア代表の東山康義さん(木村文撮影)【拡大】

  • プノンペン郊外ステメンチェイ地区に開業したトリドールの新業態店「MarugameUdon&Bento」(木村文撮影)

 うどん専門店「丸亀製麺」を運営するトリドールホールディングスは新業態店として、うどんと弁当をメインにした日本食ファストフード店「Marugame Udon&Bento」を2月にカンボジアの首都プノンペンで開業した。外国人も多く住む首都中心部にある同国1号店と異なり、新業態店は郊外の工場地帯に立地する。「日本食を食べたことがない人たちの手に届くように」と、主力メニューの価格帯を2ドル(約213円)前後に抑えており、高級化するカンボジアの外食業界に一石を投じている。

 工業地帯に開店

 トリドールがカンボジアに進出したのは2015年。オープンキッチンや自家製麺、セルフサービス方式など同国内ではほとんど見られなかった形態に加え、価格も定番の「釜揚げうどん」を1.9ドルと格安に設定するなど、話題を呼んだ。

 1号店はプノンペンの中でも高級住宅街といわれるボンケンコン地区に立地している。客層も中所得層から富裕層が多く、人気が高まるにつれ、客は低価格よりも、味やメニューの幅広さを重視する傾向になった。1号店では、「釜揚げうどん」や「かけうどん」など1.9ドルの商品もある一方で、「うどん鍋セット」(5ドル)、「肉たまぶっかけうどん」(4ドル)など4ドル以上の商品の人気も高まった。

 プノンペンでは和食ブームが長く続いている。なかでも人気があるのは寿司(すし)と焼き肉で、日本からだけでなく、隣国のベトナムやタイなどからも進出する企業が相次ぐ。多くが購買力の高い富裕層や中所得層をターゲットにした高級店で、「和食は高い」と印象づけていることは否めない。

和食を食べたことのない人に食べてほしい