不毛の地に太陽光発電 チェルノブイリ、エネルギー安定供給へウクライナ政府本腰 (2/2ページ)

 ウクライナのナショナル・インベストメント・カウンシル代表のユリア・コバリフ氏によると、同国は太陽光、水力、風力、バイオマスやバイオガスによる発電量を20年までに全体の11%に押し上げる方針だ。

 ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェームズ・エバンス氏は、同国の太陽光発電能力は17年末時点で約1.2ギガワットに上り、既にオーストリアなどの欧州諸国と肩を並べる水準に達していると指摘する。

 首都まで送電網整う

 現在、203の企業がウクライナで太陽光発電事業者としての許可を得ている。政府の奨励策を受け、今後もその数は増える予定。

 こうした企業にとっては、電力需要が増加傾向にある首都キエフまでの送電網が既に整っているのがチェルノブイリの魅力だ。昨年には15億ユーロ(約1956億円)かけて、石棺を覆う新たなシェルターの設置も完了した。コバリフ氏は「チェルノブイリの計画は象徴的なものだ。ウクライナがエネルギー資源の面で独立性を高めるための鍵でもある」と期待を込める。

 ソーラー・チェルノブイリのワリアギン氏は原発事故の後、祖父の車で避難した。「人の活動によって被害を受け、何にも活用できない土地を太陽光発電に活用するのはなぜかと問われれば、社会的責任を取るためだ。正しいことだと信じている」と強調した。(ブルームバーグ James M Gomez、Kateryna Choursina)