ブラジル産大豆を“爆買い” 中国・中糧、4大メジャー揺さぶる

 中国の国有食糧大手、中糧集団(COFCO)傘下の中糧国際がブラジル産大豆に熱い視線を注いでいる。中国の大豆消費量が急増しているためだ。国内の生産量では賄いきれず、世界有数の大豆輸出国ブラジルに頼らざるを得ない状況となっている。同社が購入するのは大豆にとどまらず、穀物倉庫といった物流関連施設へ積極投資するなど、ブラジル産大豆の安定確保に向け知恵を絞っている。

 ◆数年で勢力拡大

 中糧国際は、数百年の歴史を持つ世界の穀物メジャーを尻目に、わずか数年の間にブラジルの大豆市場で勢力を伸ばした。その背景には、中国では料理用の油から家畜の飼料まであらゆる用途に大豆が使われており、旺盛な国内需要に応える必要がある。

 また、ブラジル産大豆は近年の豊作によって価格が下がり、米国産大豆との競争力が高まったことから、輸出量が増加した。対中輸出はこの10年で約5倍に増えている。

 ブラジルの運送会社ウィリアムズによると、中糧国際が2017年に同国から輸出した大豆は約700万トンと、16年の240万トンから3倍近く伸びた。シェアでは世界の農産物貿易の大半を占める欧米系穀物メジャー、いわゆる「ABCD」の4社のうち、Aのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)、Cのカーギル、Dのルイ・ドレフュスを抜き、Bのブンゲ13.1%と丸紅12.2%に次ぐ10.4%となった。

 とはいえ、中糧国際がアジアに構える加工工場への供給については、自社のみで賄えずに他の商社にも頼っている。同社はこの状況を打破するため、ブラジルの農家から直接買い付ける大豆を増やしている。マトグロッソ州の農家からの購入分を今後数年で倍増する計画で、同社の南米責任者、バルモール・シャフェール氏は「同州の農家と中国の消費者をつなげたい。農家からの購入を増やせば、われわれの立場も強くなる」と意気込む。

 ◆既存供給網を一変

 中糧国際の戦略は、農家と消費者の間に複数の商社が中間業者として介在していた既存のサプライチェーンを一変させるものだ。歴史的な穀物価格の低迷に直面する4大穀物メジャーに追い打ちをかける。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アルバン・タイ氏は「中国が根本から競争を変えた」と指摘する。

 中糧国際は14年、香港の同業ノーブル・グループの農産物部門と蘭同業ニデラを40億ドル(約4200億円)で傘下に収め、ブラジル市場に参入した。シャフェール氏は「大規模な経費節減プログラムで競争力を高め、輸出シェア拡大に成功した」と胸を張る。(ブルームバーグ Tatiana Freitas、Gerson Freitas Jr.)