【マネー講座】《債券入門》(2)〈基本的なしくみ〉利息や値上がり益が収益に (1/4ページ)

 前回は、債券が借り入れの証拠の証券であること、主な債券の種類、取引される市場について説明しました。今回は、債券の基本的なしくみについて、もう少し詳細に説明していきます。(三井住友信託銀行 瀬良礼子)

債券の基本的な約束ごと

 債券は、国や企業のいわば「借用証書」ですので、資金をいくら借り入れ、その利息がいくらになるか、また、いつ返済するかなどの約束ごとが予め決められています。債券の基本的な約束ごとは、「額面金額」「償還期限」「利率」「利払日」の4つです。

 「額面金額」は返済期日にその債券を保有している人が受け取る金額です。債券の多くは、発行してから返済されるまで額面金額は変化しません。額面金額が返済されることを「償還」といい、その期日が「償還期限」です。

 「利率」は「クーポンレート」とも呼ばれ、額面金額に対する1年当たりの利息の割合のことです。「クーポン」というと、買い物の割引券をイメージしてしまいますが、電子化される以前に紙で発行されていた債券には、利札つまりクーポンがついており、それを切り取って利息を受け取っていました。

 「利払日」は文字通り利息を支払う日です。例えば利払いが年2回の場合は「3月20日と9月20日」といった具合に定められます。

債券価格は市場で取引されて変動する