リトアニアを訪ねて~ホームの巨大像に目を奪われる 車窓で行き来する思考 (1/3ページ)

ヴィルニュス駅構内にある巨大なアート作品
ヴィルニュス駅構内にある巨大なアート作品【拡大】

  • カウナス駅構内にあるプレート
  • カウナス市内の目抜き通り
  • カウナスの夕暮れ

【安西洋之のローカリゼーションマップ】

 バルト三国の1つ、リトアニアを訪れた。首都、ヴィルニュスからおよそ100キロ離れたカウナスに電車で向かおうとした時、プラットホームの端に異様に大きな像が目に入った。天井に頭をぶつけそうな勢いだ。

 最初、リトアニア出身の相撲とりがいたのかな、と思った。遠くからみて相撲とりに見えたのだ。調べると、同じバルト三国のエストニア出身の元力士、把瑠都凱斗(ばると・かいと)がいたが、彼とは無関係だと分かる。

 そこでリトアニアの人に聞くと「あれはアーティストの作品です」と教えてくれ、米国人俳優ジェームズ・ガンドルフィーニであると知った。1990年代後半から10年近く放映されヒットしたテレビドラマ『ザ・ソプラノズ』の主役、巨漢トニー・ソプラノ役として駅のホームに立っているのだ。

 周囲を圧するようなサイズには何らかの背景がある。

 イタリアの街で異常に大きな建物はファシズム時代のものかカソリック教会と相場が決まっている。旧東ドイツには無駄に巨大な建物があったのを思い出す。日本には大仏という事例もある。

 ほとんどは政治か宗教の力を誇示している。空間の広さや大きさに人は驚くとともに圧倒される。それが尋常ならざるサイズを設定する目的である。

 広い空間には爽快な気分を味わえたりするが、大きすぎるものを見た時、それが大きな理由にぼくはどうしても思いを馳せてしまう。

眼前のものを歴史ばかりに結び付けないように