下落ビットコイン、金と収斂 米利上げで価格差一段と縮小傾向

ビットコインと、金の鋳造工程のイメージ(ブルームバーグ)
ビットコインと、金の鋳造工程のイメージ(ブルームバーグ)【拡大】

 米連邦公開市場委員会(FOMC)が3月の会合で決定した利上げは、1オンス当たりの金とビットコインの価格差が一段と縮小するきっかけとなる可能性がある。金は価格上昇が最も抵抗の少ない軌道となっており、トレンドの準備がこの上なく整っているといってよい。これに対し、代表的仮想通貨であるビットコインの相場は、平均回帰の動きが続く可能性が高い。

 金とビットコインの価格が同水準だったのはわずか11カ月前のことだ。価格は再び収斂(しゅうれん)に向かっているが、両者がクロスするタイミングが問題だ。米国の利上げやインフレ加速、ドル安が金相場にとってプラス材料となる一方、ビットコイン価格は平均回帰の動きが続くことが避けられそうにない。最初に登場した仮想通貨であるビットコインの価格は、取引開始以降の平均を上回る水準(1000ドル弱)を当面保てるだろうが、人間の本質や需給法則に劇的な変化がない限り、2017年1月までの平均(914ドル)に向かう強い引力が存在する。

 ビットコインを1とした場合の1オンス当たりの金価格は現在0.15と、1対1だった昨年4月を大きく下回っているが、昨年12月の米利上げの3営業日後(同18日)に付けた0.07からは回復している。需給関係によって、入手可能な仮想通貨の総計は価格が下落するまで増え続けるだろう。

 昨年12月の利上げ以降の価格の収斂軌道に沿って、ビットコイン価格の下落と金価格の上昇ペースが今後加速する見通しだ。

 今回の利上げサイクルにおける5回の利上げの後、ビットコインは36日以内に少なくとも20%下落し、12月の利上げの後は58%と最も極端な下げを記録した。一方、金価格はこれと逆の動きとなった。

 歴史的に見ても、金価格はインフレとの相関関係で金融緩和局面より引き締め局面で値上がりする傾向にある。現在の利上げ局面に入ってから25%、昨年12月の利上げ以降6%上昇しており、金はインフレおよび利上げと親和性がある。だがビットコインはそうではない。そもそも仮想通貨が目指したのは、量的緩和や法定通貨の価値低下の影響を打ち消すことだったはずだが。(ブルームバーグ Mike Mcglone)