シリア情勢、原油価格直撃 NY市場で14年以来の上昇幅

 シリア情勢が緊迫し、原油価格を左右する最大の要因に浮上してきた。

 国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は12日、インドのニューデリーでブルームバーグ・テレビのインタビューに応じ、地政学上の緊張が現在、原油価格に最も大きな影響を与えており、この先、油価を押し上げることになるとの見通しを示した。同時に、投資家心理を蝕んできた米中間の貿易論争などは今や大きな売買材料ではなく、原油相場に直接的な影響を持たなくなると指摘した。

 軍事衝突リスクを背景に中東産原油の供給に支障が出かねないとの懸念が高まる中、ニューヨーク市場での原油価格は2014年以来の上昇幅を記録した。

 石油輸出国機構(OPEC)最大の産油国サウジアラビアでは11日、親イラン勢力に支援されたとみられるイエメンの反政府軍が発射したミサイルを迎撃した。サウジへの攻撃は、トランプ米大統領がロシアに対し、親密国のシリアにミサイルの集中攻撃が行われるかもしれないと警告した後に行われた。

 ビロル氏は「地政学的緊張は極めて密接に原油相場と連動する。世界の輸出の中心地である中東で緊張が高まったときはなおさらだ」と指摘した。(ブルームバーグ Sharon Cho、Serene Cheong)