韓国、ベトナムに傾斜 米中との通商悪化にらみ関係強化 (2/2ページ)

 小売企業にとってベトナムは、経済成長が著しく若者の多い魅力的な市場だ。18年1~3月期の国内総生産(GDP)は前年同期比7.4%増を記録した。全国民の3分の1が15~34歳だ。

 打撃緩和は限定的

 また、韓国勢による投資はベトナムの経済成長や繁栄も後押ししている。サムスンはハノイの工場で10万人を雇用し、関連会社や子会社は約300にものぼる。

 文大統領は3月末のベトナム訪問中、ハノイで「約5500の韓国企業がベトナムに進出している。多数のベトナム人が良い仕事につけており、韓国企業は有能で勤勉なベトナム人のおかげで大きな成長を遂げている」と、ウィンウィンの関係を強調した。

 今後の関係深化も予想される。文大統領のベトナム滞在中、両国は官民合計で18の覚書に署名した。経済・外交面での米中依存を減らし、東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係を強化する文大統領の「新南方政策」の一環だ。

 とはいえ、ベトナムとの貿易や同国での製造業を強化しても、米国や中国から受ける打撃を緩和する効果は限定的だ。韓国政府のシンクタンク、対外経済政策研究院(KIEP)のディレクター、クァク・ソンイル氏は「ベトナムもASEANも米中の代わりにはならない。だが、新たな市場であり、米中の二大経済大国がもたらすショックを和らげてくれるだろう」と説明している。(ブルームバーグ Jiyeun Lee)