【マネー講座】《債券入門》(4)〈長期金利の変動要因〉景気・物価がカギに (4/5ページ)

 また、円安になると、海外投資家が日本の債券を外貨に換算するときに価値が目減りします。円安は海外投資家の債券売りを促し、金利上昇圧力となります。

 円高はこの逆の動きとなります。

 次に、海外金利が日本の長期金利に及ぼす影響を考えてみましょう。

 例えば米国金利が上昇し日本の金利よりも魅力的になると、日本の投資家が米国の債券を買います。すると、日本の債券の買い手が減少し、金利上昇につながります。また、米国債券を購入するために円を売ってドルを買うので、円安となり、さきほどの為替レートの影響の経路をたどって、金利上昇へとつながります。

 米国金利の低下の場合は、この逆の動きとなります。

 そのほかにも変動要因はありますが、入門編としては、「景気」「物価」「金融政策」「為替レート」「海外金利」を押さえておけばよいでしょう。

良い金利上昇、悪い金利上昇

 景気が良くなることに伴い、資金需要が高まって金利が上昇するのは「良い金利上昇」であり、問題はありませんが、景気が悪くても金利が上昇する場合があります。例えば、2010年にギリシャの国債利回りが急上昇しました。ギリシャ政府の財政赤字が過少に公表されていたことが発覚し、不信感から国債が売られたのです。これは「悪い金利上昇」の典型例といえるでしょう。

 ところで、日本でも国債発行額が大幅に増えていますが、国債利回りは非常に低い水準で推移しています。日本はギリシャと異なり、1990年のバブル崩壊以降、企業の資金調達需要が大幅に後退したことで、銀行が家計部門から預かっている資金が国債へ流入したため、国債の大量発行を受け止めることができたのです。

日銀の金融政策に注意しよう