中国、財政難の米大学に触手 相次ぐ買収、不安訴え卒業生が提訴 (1/3ページ)

米国の大学キャンパス。財政難に苦しむ米国の高等教育機関を中国企業が買収するケースが相次いでいる(ブルームバーグ)
米国の大学キャンパス。財政難に苦しむ米国の高等教育機関を中国企業が買収するケースが相次いでいる(ブルームバーグ)【拡大】

 財政難に苦しむ米国の高等教育機関を中国企業が買収する例が相次いでいる。北京凱文徳信教育科技は今年2月、ライダー大学のウェストミンスター・クワイア・カレッジ(ニュージャージー州プリンストン)を4000万ドル(約43億6000万円)で買収することで合意した。ウェストミンスターは声楽家、指揮者、音楽教師を育成する音楽学校だ。

 運営ノウハウに疑問

 中国の政府系企業である北京凱文は、江蘇中泰橋梁鋼構から社名を変更した数週間後にこの取引を発表。ウェストミンスターの卒業生や教職員からは、長年鉄鋼橋梁(きょうりょう)メーカーとして経営してきた北京凱文に、レナード・バーンスタイン氏、アルトゥーロ・トスカニーニ氏、小澤征爾氏といった名指揮者と共演してきた合唱団を擁する一流音楽学校を運営するノウハウがあるのかという疑問の声も上がっている。卒業生の一部はこの取引が1991年にウェストミンスターがライダー大学と交わした合併契約に違反し、カレッジの崩壊を引き起こしかねないとして、ニューヨーク連邦裁判所で訴訟を起こした。

 在校生のクリス・ボナニさん(20)は「カレッジの関係者はかなりの不安を感じている」と述べた。ウェストミンスターの著名な卒業生には、ハーレム・スクール・オブ・ジ・アーツの創設者であるドロシー・メイナー氏、メトロポリタン歌劇場の新音楽監督であるヤニック・ネゼ・セガン氏らがいる。

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