麻生太郎財務相は5日、訪問先のフィリピンの首都マニラで開かれたアジア開発銀行(ADB)の年次総会で演説し「(環境配慮、災害への強靱性を備えた)質の高いインフラ投資の国際的な取り組みをさらに前進させる」と述べ、来年の20カ国・地域(G20)首脳会合に向けて議論を加速させる姿勢を示した。
麻生氏は「質の高いインフラ投資」による民間企業の投資や雇用の促進を通じて「経済の歯車が動きだし、その国が発展する」と意義を強調した。投資先の国に過度な債務を負わせないような配慮や、インフラを万人に利用できるようにすることの重要性を国際社会に呼び掛けると述べた。
また、中尾武彦ADB総裁は米中などの貿易摩擦を念頭に「各国は開放的な貿易システムの促進に最大限の注力をすべきだ」と改めて主張した。(共同)