インド、農家の借金を帳消しへ 自殺者の9.4%占め、社会問題に

 人口13億のうち6割以上が農村部に住むインドで、農家の借金を帳消しにする動きが広まっている。収入が低く、借金を苦にした自殺が社会問題になっていた。2019年の総選挙で勝利を目指すモディ政権が、インド版「徳政令」で大票田の支持を固めようとする狙いもある。

 農民ら約6万人が西部マハラシュトラ州の州都ムンバイで、帳消しなどを求めて大規模なデモを行った。国政与党・インド人民党(BJP)系の州政府は農民らの要求を受け入れ、農民1人当たり最高15万ルピー(約24万円)までの帳消しを約束した。

 BJPは帳消しを公約に掲げ、17年3月の北部ウッタルプラデシュ州の州議会選で圧勝した。州議会選は総選挙に向けた「中間選挙」と位置付けられており、選挙を控えた5州が帳消し策を発表している。だが、帳消し策は財政状況を無視して導入されたケースも少なくない。マハラシュトラ州政府は今年3月、帳消しによって18年度予算で1500億ルピーの歳入不足に陥ったと発表。実際に農民の要求に応えられるのかは不透明だ。

 インド政府によると、農業関係者の自殺者数は15年で1万2602人に上り、全体の9.4%を占める。自殺原因は破産や負債が38.7%、農業関連の問題が19.5%と、経済状況に根差しているのが半数以上だ。現地紙インディアン・エクスプレスは「(帳消しは)農民を苦境から救う最良の方法ではない」とする専門家の意見を伝えた。(ニューデリー 共同)