メキシコ、金融機関から大量引き出し システムに不正アクセス

 メキシコの中央銀行は、一部の金融機関にハッカーが不正侵入し無断送金した可能性があり、同国の複数の銀行がここ数週間に大規模な資金引き出しに見舞われていることを明らかにした。

 メキシコ中銀の事業責任者、ロレンツァ・マルティネス氏はブルームバーグとのインタビューに応じ、同中銀の電子決済システムへの外部接続が不正アクセスされた5金融機関に中銀は焦点を絞っているとコメントした。システムの脆弱(ぜいじゃく)性を背景に、これらの金融機関の「偽の口座」から不正に資金が吸い上げられ、他行から複数の大規模な資金引き出しにつながったと説明した。

 マルティネス氏によると、5つの銀行と証券会社は組織犯罪集団がサイバー攻撃を画策したかどうかを究明するためメキシコの検察当局と協力しているが、中銀はこの捜査に関与していないという。同氏は対象の金融機関名には言及せず、事件の背後に何人いるのか判断するのは時期尚早だとした。

 中銀は不正アクセスがあった金融機関がセキュリティー規則を順守しているかどうかを査察する。また、次にサイバー攻撃を受けた場合に備え、各銀行に対し、代理のネットワークを通じて即時送金サービス「SPEI」により高速に接続するべく、健全性審査の実施頻度を増やすよう要請する予定。

 サイバー攻撃の疑いが発覚後、メキシコの金融当局は一部の金融機関に対し、外部からの侵入を受けにくい代替手段で送金ネットワークに接続する措置を取るよう要請した。しかし、この措置により多くの利用者間で送金の速度が遅くなるトラブルが発生していた。(ブルームバーグ Michelle F.Davis)