フィリピン、人気リゾート閉鎖対策 国内航空、振り向けで成長維持

セブ・パシフィック航空機に搭乗する乗客ら=フィリピン中部レガスピ(ブルームバーグ)
セブ・パシフィック航空機に搭乗する乗客ら=フィリピン中部レガスピ(ブルームバーグ)【拡大】

 フィリピンの国内航空市場は、同国有数のリゾート、中部ボラカイ島の閉鎖にもかかわらず、2018年もプラス成長が予想されている。豪シンクタンクのアジア太平洋航空センター(CAPA)がまとめた報告書で指摘した。現地経済紙ビジネス・ワールドが報じた。

 報告書では「国内外の観光客から人気のボラカイ島の半年間にわたる閉鎖は国内市場全体に打撃だ。それでも、18年のプラス成長の達成は可能だ」としている。さらに「(ボラカイ島にアクセスするための)パナイ島のカティックランとカリボに向かう国内線は首都マニラの空港を結ぶ便が大半を占める。フィリピンの航空各社は、マニラ-カティックラン間およびマニラ-カリボ間に使用されていた枠を他の目的地への就航便に振り向けようとしている」と説明した。

 セブ・パシフィック航空やフィリピン航空(PAL)、フィリピン・エアアジアは4月、政府主導によるボラカイ島の復興計画に伴い、カティックランとカリボへの定期便を他の目的地に変更すると発表した。セブ・パシフィック航空は、カティックランとカリボへの就航便を4月26日から10月27日まで中止する。他社も別の観光都市への就航便を増やして対応している。ただ、各社は地域住民のため、一部の便を継続運航している。

 CAPAは「ボラカイ島の閉鎖により、カティックランとカリボにおける航空旅客量が今年は大幅に減少する」と予想する。また、「16年の滑走路増設に伴い、カティックランでは17年には座席数が約2倍に増加した。マニラとカティックランを結ぶ便は17年のマニラ発国内線全体の旅客増の2%だった」と指摘した。

 一方で、「ボラカイ島以外にも旅行先の選択肢は多く、国内航空市場は引き続き力強く成長する」と強調している。さらに、「フィリピンの経済成長率は18年も7%成長が見込まれる。経済規模と中間層の拡大により、国内航空市場の需要は今後も成長が見込まれる」とした。

 フィリピン・エアアジアのデクスター・コメンダドール最高経営責任者(CEO)は「ボラカイ島は一種の不具合にすぎない。パングラオ島やプエルト・プリンセサ、ダバオ、セブなど、観光地は他にもある」と強気の見通しを示している。(シンガポール支局)