【マネー講座】《「もらう」相続》(2)〈相続の承認と放棄〉「要らない財産」への対応 (1/4ページ)

 前回は、亡くなった人の遺産は相続人が承継すること、遺産にはプラスの財産のほかに借金などのマイナスの財産も含まれることを確認しました。では、両親が多額の借金を残して死亡した場合、子どもは両親の借金を背負わなければならないのでしょうか。今回は、そのような困った相続への対応について説明します。(りそな銀行 折原和仁)

3カ月以内なら相続を断ることも可能

 まず知っていただきたいのですが、相続は義務ではありません。受けたくない場合には、断ることもできます。ただし、そのためには一定の期限内に所定の手続きを済ませることが必要です。相続人の間で「財産はもらわない」と決めただけでは、債務の負担を免れることはできません。

 被相続人から一切相続を受けないこと、すなわち「放棄」を選択する場合は、「熟慮期間」の間、具体的には自分が相続人であることを知ってから3カ月以内に家庭裁判所に申述(申し出ること)をすることが必要です。申述せずに期限を過ぎると、その人は無条件で相続を承認したことになります。これを「法定単純承認」といいます。

 熟慮期間経過後に、多額の債務があった、または被相続人が友人などの債務の連帯保証人であったと判明しても、その時点で相続を放棄することは困難です。このため、熟慮期間内にきちんと財産を調査して判断することが求められます。

 これは重要なポイントですが、被相続人名義の預貯金の払い戻しを受けているなど、すでに遺産の全部または一部を処分している場合は、熟慮期間内であっても相続の放棄は認められません。

相続放棄の効果