【視点】野球場の応援 もっと「自然の音」を楽しむ機会を (1/3ページ)

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 □産経新聞編集委員・工藤均

 プロ野球が開幕して間もなく2カ月。野球場では応援団らによるトランペットや太鼓、笛などの「鳴り物入り応援」が熱を帯びてきた。日本では当たり前の光景だ。

 少し古くなるが、開幕前の3月21日、東京ドームで巨人-ヤクルトの試合形式の合同練習があった。予定の神宮球場が雨で使用できず、巨人側の提案で実現した「無観客試合」だった。当然、応援はない。ヤクルト・青木宣親(のりちか)選手の試合後の「(選手らの)声が響いて気持ちよかった」のコメントに思わず、膝を打った。

 1998年に東京ドームで行われた日米野球の「球音を楽しむ日」を観戦した。状況は違うが、共通点は応援がないこと。キャッチャーの捕球音、バッターの打球音、走るスパイクの音、選手のかけ声…。観客の拍手や声援もすがすがしく聞こえた。この「自然の音」のことを当時、産経新聞に書いたことがある。青木選手の言葉を知り、改めてそう思えたのだ。

 現在、応援団方式の応援は日本野球機構(NPB)の許可が必要だ。広報室では、「お客さまの人格権である『平穏観戦権』を守る範囲での応援をお願いしている」とする。ルールを守れば容認という立場だ。応援団は主に外野席で熱い応援を繰り返す。他の観客もメガホンをたたき、声をからす。そういう応援は好きな方だが、静かな環境で見たいと思うときもある。鳴り物入り応援を否定しているわけではない。応援団の協力を求め、鳴り物がない日を何度か実施してほしいということだ。屋外を本拠地とする球団にはとくに希望したい。

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